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 コミュニケーションを阻害するあいまいな日本語

普段私たちが何気なく使っている言葉の中にも、勘違いを招く言葉がたくさんあります。同じ言葉でも、人によって違う意味合いで使っている場合があります。

中学生の時の話ですが、黒板の文字が見づらくなった私は、眼科に掛かりました。医師から「いつから調子が悪くなりましたか?」と尋ねられたので、私は「最近です。」と答えました。すると、医師からは思いがけず、「最近って?」と聞き返されてしまったのです。
つまり、最近という言葉を「一ヶ月前から」という意味で使っている人もいれば、「2、3日前から」と捉えている人もいるというわけです。なるほど、確かに自分は誤解を招く表現をしていたのだと気づかされました。しかし、徐々に視力が低下し、気づいたら目が見えにくくなっていた私にとっては、むしろ「最近」という誤魔化した表現のほうが便利で都合が良かったのです。

私たちは日頃からあいまいな言葉をよく使います。「まあね」「いやいや」「ううん」という不完全な応答や、「かなり」「大体」「少々」といった分量をあらわす言葉、「〜的」「〜みたいな」「〜って感じ」といった断定を避けた表現など挙げれば切りがありません。

日本人は昔からあいまいさを好み、それを巧みに利用してきています。しかし、会話の中であいまいな言葉を使うのは、相手との対立を避けるために、また自分の意見や主張をはっきりさせないことで責任逃れをするために使っているのです。相手と距離をおき、余計なぶつかりあいを避ける効果は確かにあります。しかし、あいまいなままではいつまで経ってもお互いが歩み寄ることはできません。

正しく自分の意思を理解してもらえない、また、人の話を聴いているつもりでも聴けていない理由のひとつに、日本語がもつあいまいさがあるのだと思います。一方通行の「言う」や「聞く」ではなく、相手に受け止めてもらおうとして話す「伝える」と、相手はどのような意味合いでまたどんな思いでその言葉を使ったのか相手の立場で理解する「聴く」。この2つがより良い関係をつくるコミュニケーションの秘訣ではないでしょうか。表面的な関係であれば、あいまいな言葉は有効かもしれません。しかし、親密な関係を望むのであれば、あいまいな表現は避けるべきでしょう。自分の意見や思いを言葉として表現することも、相手の気持ちを正確に理解することも、とても難しいことです。しかし、お互いがわかり合える瞬間は心地よく気持ちがよいものです。人とのコミュニケーションの中でいきいきと過ごすためにも、ぜひ双方向のコミュニケーションを実践したいものです。


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